Side B

「おいしいもの、だ〜いすき。」
日曜の昼にブランチ観て、宣う自分がいる。
宣うのに飽き足らず、氾濫するグルメ番組を観ながらメモする始末。
卑しいまでの食への欲求。
美味なものを食すと、幸せってな瞬間がある。
そんなもので幸せとは寂しい、と宣う人もいる。
束の間の幸せなんで、許して下さいな。


小さい食のユートピアを探して、日夜彷徨い、新規開拓に勤しむ。
メディアに頼らず、自分で探すのも醍醐味だったりする。
当然、ユートピアではなく、ヘルな店に出会うこともある。


最新のヘルな店は、高円寺・庚申通りの中華店。
最初は、炒飯。
ちょっと、炒め足らない感じがするが、まぁ、普通。
お次は、餃子。
「宜しければ、タレをつけずにお召し上がり下さい。」
店の人が自信満々に宣う。
ほう、小籠包みたいに中から汁が、ジュワッって出るのか。
一口食して、驚愕。汁が出るどころか、パサパサ。普通に不味い。
どこから、その自信が出てくるのだ。
締めに、焼きビーフン。
ヘルメーター、振りきりました。最高に不味い。
炒めた感じがしないし、塩・胡椒もしてないし、
味付けはラーメンの汁を入れただけ。
具材もニンジン・豚に混じって白菜。普通、白菜入れるか?
野菜がクズ野菜っぽくて、見た目、家畜の餌。
9割、残しました。これだけ食せないのも初めてです。
帰り際に、料理人の顔を見たら、根本敬が喜びそうな
冴えない50代のいい顔のオヤジが、倦怠感丸出しで作ってました。
作ってるというか、作らされてる。たぶん、悪魔に。
妙に納得して、帰途についた。


ユートピアとヘルは、紙一重
同じ物・境遇でも、ヘルにもユートピアにもなる。
というか、繋がってますね、こりゃ。